その山の銀は、かつて海を越えて朝鮮半島や中国、さらには欧州へ。荷を運ぶ牛馬や歩荷達が険しい峠を越えて山と湊を往き交った径。
旅の1日目は、舟積みの湊として一時代を築いた沖泊(おきどまり)から。
人の気配が消えた小さな入江。
活気溢れた時代を黙して語る、朽ち行く蔵と家々。
「板子一枚下は地獄」だからこそ船乗り達が篤い心で手を合わせた社。
出入りする数多の廻船を舫うために柔らかい砂岩を削った「鼻ぐり岩」が海辺に点在しています。
……静か。外海の荒波が瀬に砕ける音と微かな風の音だけが入江を渡ります。
かつて多くの人たちの暮らしと航海を支えた井戸。いくつかの世紀を越えて、湊としては終焉を迎え、今では僅か数名になってしまいましたが、この地に暮らす人々の生活を支える井戸なのです。
Discover Walks ~日本の里山里海を歩く~
代表 亀津淳司
a member of Japan Alliance of Responsible Travel Agencies