山脈を越えるいにしえの往還から少しだけ脇に寄ったところ。そこは深い栗の木の森に囲われたとても小さな山の村。――モンテレッジオ。
その村の佇まい、置かれている環境・状況は紛れもなく、確かに、日本では「過疎」「僻地」。その言葉から伝わってくるニュアンスは限りなくネガティブ。
…ですが、文章から漂う“香り”から脳裏に浮かぶその村の姿は誇り高き文化的な景観。お訪ねしたこともない村なのに、です。
その地に刻まれてきた連綿と流れる時間と繋がっているか否か
例え離れていても、還るべき場所として心にいつもあるか否か
暮らし人や出自を持つ人に、その地への矜恃・矜持はあるか否か
小さな地域の在り様や自分自身の将来について、深慮させられる良い本と出会えました。
あ、でも内容は難しくないですよ。旅の本、紀行としても楽しくサクッと読めます。ぜひ、どうぞ。
モンテレッジオ 小さな村の旅する本屋の物語
著書:内田洋子 出版社:方丈社
Discover Walks ~日本の里山里海を歩く~
代表 亀津淳司
A Member of Japan Alliance of Responsible Travel Agencies